「G3 vol.116 熊本市被災文化財のいま」展が始まりました。
2016年4月の熊本地震によって、熊本市の文化財の多くが被害を受けました。
本展では、震災直後から続く文化財保護の活動と、その現状・課題を、現場写真や映像、実際の救出資料などを通して、文化財の被害状況とその復旧計画、そしてそれらを守るために被災直後から今に至るまで奔走し続けている人々の動きをご紹介しています。 会場内では、現在立ち入ることのできない熊本城内部を体感することのできるVRや、当館で行われた収蔵品チェック作業の様子や、道具などもご覧いただけます。 会期中、イベントも開催します。ぜひお立ち寄りください。 ■5月13日(土)14:00〜 講演会「市内文化財の現状と普及の見通し」講師/熊本市文化振興課担当者 ■5月27日(土)14:00〜 講演会「文化財レスキューの現場」講師/木山貴満(熊本市立熊本博物館学芸員) |
遠藤一郎 「未来龍熊本大空凧」凧作りワークショップ
遠藤一郎さんは、「未来へ号」というワゴン車に乗って全国を旅する未来美術家で、全国さまざまの場所で願いを込めた連凧を大空に届けるプロジェクトを行われてきました。当館でのこのワークショップは、約5年ぶりとなります。 15日の凧あげに向けて、凧作りワークショップが6回に分けて行われました。 3月25日(土)には、遠藤一郎さんもワークショップに登場し、アーティスト直伝の凧作りが行われました。 参加者は、オレンジ色のビニールと竹ひごで凧を作り、仕上げに夢や願いを書いていました。 また、ワークショップ中には、「今、夢凧の収穫どれくらい?」「10です!」、「生凧いくつ?」「16です!」、「夢凧100個ぐらい繋いで揚げ凧にするよ」など、まるで厨房の中の様な会話が飛び交い、会場の皆さんの笑いを誘いました。 遠藤さんによると、「夢凧…夢を描いた凧」「収穫…凧の受け取り」「生凧…まだ夢が書かれていない凧」「あげ凧…空にあがった凧」との事でした。 イベント期間中は、展覧会場前の廊下に大西市長の願いが描かれた凧も展示されていました。 |
「熊本地震 被災者からの声」パネルを展示中
熊本地震から1年経とうとしています。
当館フリースペースでは、NHK熊本放送局「熊本地震 被災地からの声」内で集められた被災された方々の“声”のパネル展示を行っています。 番組内では、熊本地震で被災した各地を巡り、ニュースなどで取り上げられることの少ない地域まで、これまでに200人以上の“声”が紹介されました。今回は、その中でも特に反響の大きかった30点がピックアップされています。 直筆でスケッチブックに書かれた“声”とは、被災された方々が「今、一番訴えたいこと」。 中でも、スケッチブックに大きく書かれた「この学校で卒業式をしたい」という小学生の字には、当たり前だと思われていたことのかけがえのなさに気づかされ、胸に迫るものがありました。 井手記念室・ギャラリー靴燃催中の『アート・建築・デザインでつながる 東北⇔熊本展』とあわせてご覧いただき、県内各地で被災された方の思いを、より多くの方に知って頂けますと幸いです。 ![]() ◆「熊本地震 被災者からの声」パネル展示 会期:平成29年3月23日(木)〜4月16日(日)午前10時〜午後8時 ※火曜日休館 会場:熊本市現代美術館 主催:NHK熊本放送局 お問い合わせ:NHK熊本放送局電話:096−326−8203(平日 午前9時30分〜午後5時30) https://www.nhk.or.jp/kumamoto/hisaichikara/form.html 《関連番組》 ・「クマロク!」番組内『熊本地震 被災地からの声』(火・木コーナー※4月から火曜のみ) 午後6時10分〜6時59分 <総合テレビ/熊本県内向け> ・熊本地震 被災地からの声 毎月1土曜日 午前11時〜11時23分 <総合テレビ/熊本県内向け> ◆『アート・建築・デザインでつながる 東北⇔熊本展』 会期:平成29年3月1日(水)〜4月30日(日) 熊本地震後の復興を支えた、東日本大震災での経験をもとにしたアート・建築・デザインによる復旧・復興活動をご紹介しています。 |
東北⇔熊本展 関連トーク
G vol.115 3.11→4.14-16 アート・建築・デザインでつながる東北⇔熊本展の関連イベントとして、紹介しているプロジェクトの実践者によるトークを開催しました。
PPS4より田中智之さん(建築家/熊本大学工学部准教授)、ハートマーク・ビューイングより日比野克彦さん(アーティスト/東京藝術大学教授)、宮城熊本伝えるアートプロジェクトより村上タカシさん(アーティスト/宮城教育大学准教授)をお招きして、それぞれのプロジェクトについてお話を伺いました。 ![]() 田中さんは、熊本地震後にPPS4を活用した支援の中心となるよう依頼を受け、研究室の学生たちとともに尽力されてきました。PPS4で使った紙管の再利用など、熊本で生まれたアイデアもご紹介いただきました。KASEI プロジェクトでは、熊本の仮設住宅のパートナーとして、環境の整備やコミュニティづくりの支援を始めているとのことで、注目すべき熊本の仮設住宅の今後もお話いただきました。 ハートマーク・ビューイングでの、ハートマーク柄のマグネットを被災地に届ける、というアイデアは、日比野さんの「自分で行くのではなくて思いを届けるにはどうしたらいいか」という考えから生まれたとのことでした。展示会場のハートマークを眺めていると、この日比野さんの考えとアイデアがばっちり合っていることが実感できます。 村上さんは、宮城在住の八代出身ということもあり、熊本地震後いち早く支援ため足を運んだだけではなく、宮城でも継続していた「おしるこカフェ」を熊本でも始めるなど、ゆるやかなつながりを生むプロジェクトを継続させています。 ![]() どのプロジェクトも、東北や熊本の地震を経て、人に寄り添って実践を重ねてきたプロジェクトだからこその展開が見られました。東北の経験がつながり熊本が勇気づけられたように、熊本での経験も「未来の被災地」を勇気づけるのだと気付かされるトークとなりました。 |
ハートマーク・ワークショップin下通
先日3/1(水)、日比野克彦さんをお迎えし、下通にてハートマーク・ワークショップを行いました。
![]() 平日にもかかわらず、たくさんの方が足を止めて下さり、熊本復興の願いがこめられたオリジナルハートマークを笑顔で見て行かれました。 「日本のどこかの、名前も知らない誰かが、こんなにたくさん熊本のためにと作ってくれたのかと思うと・・・」と、声をつまらせる方も。 また、「震災後、子どもがふさぎがちだったのが一番つらかった。でも、今日こんなに多くのハートを見て、本当に勇気をもらえました」と笑顔で言ってくれたお母さんもいらっしゃいました。 ![]() 参加してくださった皆さま、そしてたくさんの「ハート」を贈ってくださった皆さま、本当にありがとうございました! たくさんの笑顔に出会えたワークショップとなりました。 |

