秀島由己男展関連イベントとして、CAMKレクチャーカレッジ「秀島由己男の作品とアートコレクションについて」講演会を開催しました。
導入として、本展の内容・構成が決まるそもそものきっかけとなった、2008年に自宅兼アトリエを訪問した際の、秀島さんのアートコレクションとの衝撃的な出会いと、2011年に個展の準備を始めた時に、その記憶が忘れられずに出品を願ったことを紹介するところから始めました。
続いて多様なコレクションと秀島作品の比較を行い、そこに読み取れる共通点を紹介していきました。カロの作品にみられるエッチングの高い技術による空間表現と秀島作品との比較、ピラネージの作品にみられる想像と理想のローマ図と、秀島の幻想的な都市風景《われらにさきかけてきたりしもの》との比較、豊国(3代)浮世絵「五節組」と《変化十態》の共通点、アフリカ仮面と《風の舟》の共通点、こけしと《太郎(詩画集「彼岸花」》の共通点、三春張子人形と《霊歌》(未完)に共通する身体表現の単純化などを紹介しました。
また、秀島の室内画にみられる多方向からの視点による空間構成については、最新作の《五つの玉子》(未完)と、広重の「江戸名所四季の眺 高輪 月の景」を比較しながら、浮世絵にみられる西洋とは異なる多方向からの視点による遠近法を、秀島作品も、画面構成において活用していることを詳しく説明しました。
アンケートにも、このような展示中の絵画作品の読み解きは美術への興味を深めるとの好意的な意見をいただきました。

| G3/井手記念室 | 04:18 PM | comments (x) | trackback (x) |