天野喜孝展担当学芸員冨澤治子によるCAMKレクチャーカレッジ「天野喜孝の世界」を開催しました。
はじめに、展覧会準備から作品選定までを振り返り、どのように展覧会が構成されていったのかを紹介しました。
続いて、天野作品の特徴とは何かを探るにあたり、描かれる主人公の特徴について紹介。「時代が要請するヒーロー」、「時代の理想を映す少女と女性」、「ひたすらかわいいキャラクター」の3種をそれぞれ代表する作品画像とともに言及しました。
次に、天野作品にみられる西洋近代美術の勉強からの展開と題し、舞台芸術や挿絵芸術の参照(バレエ・リュスの衣装デザイン画とFFキャラクターデザイン画の共通点など)や、モノクロ作品ならではのダークな描写、イラストレーションの構図の研究、色彩の魅力やにじみ・ぼかしなどの技法の研究などを指摘しました。
最後に最新のシリーズから《DEVA LOKA》と《Candy Girl》について触れました。《DEVA LOKA》には過去作に芽生えたものの集大成がみられること、《Candy Girl》には「だまし絵的な遠近法からの逸脱」、「形態の自由」などさらなる展開が垣間見られることを紹介しました。

| 天野喜孝展 想像を超えた世界 | 06:19 PM | comments (x) | trackback (x) |