2009,05,09, Saturday | author :
CAMKのくま

井上雄彦 最後のマンガ展 重版〈熊本版〉第3回目の講演者は、島田美術館館長の島田真祐さんでした。
島田館長と当館とは、生人形が結ぶ切っても切れない縁を結んでおり、今回、宮本武蔵ということで、さらに縁が深まってきていることをしみじみと感じております。
さて、講演会ですが、ちらしに掲載された「宮本武蔵と熊本」から、改題され、「武蔵・どうしてそんなに男前?−肖像の変遷」として講演されました。
講演内容変更の理由のひとつとして、マンガの展覧会ですから、より一層ビジュアルにこだわったお話のほうが、井上さんの描いた武蔵しか知らない方々も、興味の幅が拡がるかもしれません、とお話くださいました。
島田美術館蔵の武蔵の肖像が、五輪書の「水の巻」でのテキストによる描写に忠実なことや(額にはしわを寄せず、眉間はしわを寄せ、など興味深い描写)、「武州伝来記」にある武蔵の髪型(総髪、つまり月代を剃っていない)というところからも、武蔵死後、ある程度経ってからであっても、実在した武蔵にかなり近い描写である可能性が高い、という島田館長の見解が紹介されました。
続いて、島田美術館の館蔵品の浮世絵を参照しながら、江戸時代の娯楽としての歌舞伎のなかに、勧善懲悪の、仇打ち助っ人として宮本武蔵が登場し、その際には、いわゆる宮本武蔵的な特徴は取り除かれ、いわゆる美男子へと変身したこと(一方佐々木小次郎は悪人顔)が述べられました。
吉川英治にいたっては、新聞小説の挿絵において、ふたたび武蔵は総髪にもどるものの、整った顔として表現され、悪人顔へ変身していた小次郎は、改めて武蔵と変わらぬ整った顔立ちにふたたび変身し、井上さんのバガボンドに引き継がれているという展開でした。
詳しい内容に関しては、当館発行予定の報告書に再録される予定です。お楽しみに。
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井上雄彦展 |
07:43 PM | comments (x) | trackback (x) |