井上雄彦 最後のマンガ展 重版〈熊本版〉、連続講演会の第4回目は、「井上雄彦と「最後のマンガ展」を語る」というタイトルで、詩人の伊藤比呂美さんにご講演いただきました。
伊藤さんは、熊本で深く愛されている詩人であり、井上さんとの対談「漫画がはじまる」もひろく知られており、会場は即座に満員となりました。

会場の建築構造上、どうしても収容人数に限界があり、入場を御断りした方もたくさんいらっしゃいました。本当に申し訳ございませんでした。

講演は、伊藤さんの「漫画にはうらみつらみがあるんです」や、「漫画には止められなくなるアブナイ物質がはいっていると思うのです」などの名言が、会場内の爆笑を誘いながら、長年のマンガ読みとしての、そして詩人としての鋭い視点から、「スラムダンク」や、「バガボンド」、そして本展が読み解かれていきました。
『漫画がはじまる』で披露された、「大好きです」の比較解釈や、「「スラムダンク」の沢北って、胤舜よね」など、キャラクターの役割の対比検討など、それはそれは軽やかに、論が展開していきました。

質疑応答の時間においては、活発なディスカッションが展開され、次週お話いただく宮本大人さんも、来週にお話される予定だった最新の見解を紹介されるなど、非常にエキサイティングな場となりました。

講演会の全内容は、伊藤さんの加筆後(予定)、当館発行予定の報告書に再録されます。お楽しみに。

| 井上雄彦展 | 07:44 PM | comments (x) | trackback (x) |

井上雄彦展の関連イベント「宮本武蔵の史跡をめぐるバスツアー」を開催しました。
展覧会始まる前にすでに、定員を超えるお申込みをいただくなど、ご期待を大いに受けていたのですが、天候にも恵まれ、青空と若々しい緑に包まれたバスツアーとなりました。

武蔵塚公園で、武蔵の墓参りののち、立田自然公園で昼食、武蔵の葬儀が行われた泰勝寺あとの竹林で思いを馳せました。
霊巌洞で、五輪書を書く武蔵の姿を想像してのち、島田美術館で、武蔵ゆかりの品々をゆっくり鑑賞しました。

参加された皆様の笑顔もすてきで、十分に楽しんでいただけたようでした!

| 井上雄彦展 | 06:20 PM | comments (x) | trackback (x) |

井上雄彦 最後のマンガ展 重版〈熊本版〉第3回目の講演者は、島田美術館館長の島田真祐さんでした。

島田館長と当館とは、生人形が結ぶ切っても切れない縁を結んでおり、今回、宮本武蔵ということで、さらに縁が深まってきていることをしみじみと感じております。

さて、講演会ですが、ちらしに掲載された「宮本武蔵と熊本」から、改題され、「武蔵・どうしてそんなに男前?−肖像の変遷」として講演されました。
講演内容変更の理由のひとつとして、マンガの展覧会ですから、より一層ビジュアルにこだわったお話のほうが、井上さんの描いた武蔵しか知らない方々も、興味の幅が拡がるかもしれません、とお話くださいました。

島田美術館蔵の武蔵の肖像が、五輪書の「水の巻」でのテキストによる描写に忠実なことや(額にはしわを寄せず、眉間はしわを寄せ、など興味深い描写)、「武州伝来記」にある武蔵の髪型(総髪、つまり月代を剃っていない)というところからも、武蔵死後、ある程度経ってからであっても、実在した武蔵にかなり近い描写である可能性が高い、という島田館長の見解が紹介されました。
続いて、島田美術館の館蔵品の浮世絵を参照しながら、江戸時代の娯楽としての歌舞伎のなかに、勧善懲悪の、仇打ち助っ人として宮本武蔵が登場し、その際には、いわゆる宮本武蔵的な特徴は取り除かれ、いわゆる美男子へと変身したこと(一方佐々木小次郎は悪人顔)が述べられました。
吉川英治にいたっては、新聞小説の挿絵において、ふたたび武蔵は総髪にもどるものの、整った顔として表現され、悪人顔へ変身していた小次郎は、改めて武蔵と変わらぬ整った顔立ちにふたたび変身し、井上さんのバガボンドに引き継がれているという展開でした。

詳しい内容に関しては、当館発行予定の報告書に再録される予定です。お楽しみに。

| 井上雄彦展 | 07:43 PM | comments (x) | trackback (x) |

「井上雄彦 最後のマンガ展 重版〈熊本版〉」、ゴールデンウィーク中は、連日の当日券の売り切れなどにより、遠方からいらした方もご覧いただけず、残念な思いをさせてしまい、お客様にご迷惑をおかけいたしました。

本展は「バガボンド」の延長上にある一篇の物語を、マンガとして体験していただく内容になっております。 展覧会開催にあたり、井上さんともご相談し、お客様に快適にご鑑賞いただくための、会場内の環境づくりを最優先することが、とても重要であると考えています。

そのため、入場するお客様の人数を制限させていただいております。会場が混み合っている場合は、列にならんでいただき、入場までお待ちいただくこともあります。

当日券が早い時間に売切れになってしまうこともございますので、事前にチケットぴあでの予約チケット購入をご利用ください。

店頭では、チケットぴあのお店、ファミリーマート、サークルK・サンクス
インターネットでは、http://pia.jp/t
お電話では、0570−02−9999

でご購入いただけます。

ご来館いただいた、ひとりでも多くのお客様に、心からご満足いただけますよう、スタッフ一同精進してまいりますので、今後ともご指導ご鞭撻の程、どうぞよろしくお願いいたします。

| 井上雄彦展 | 11:49 AM | comments (x) | trackback (x) |

井上雄彦 最後のマンガ展 重版〈熊本版〉、連続講演会第2回として、明治学院大学教授の山下裕二先生に「井上雄彦と日本水墨画史」というタイトルでご講演いただきました。

講演の冒頭では、上野での井上展を昨年末の新聞の特集記事として「今年1年をふりかえって記憶に残った展覧会」ということを、個人的にはいの一番で紹介したほどすごい展覧会だったにもかかわらず、美術評論関係者で見た人はすごく少なかったのではないか、それはマンガというものに対しての世代的な考え方の違いなどに問題があるのではないかという見解からはじまりました。
続いて、個人的な体験として、青少年時代より読んできたマンガについて、熱烈な愛、特に、つげ義春への深い愛を語りつつ、1970年に少年マガジンが横尾忠則に表紙デザインを依頼していたそのすさまじいインパクトについて語るなど、通常の美術史講義ではなかなか聞く機会のないお話が次々と展開されました。
と同時に、長谷川等伯や、式部輝忠、雪舟、雪村を紹介しつつ、その線と溌墨、構図を読み解きながら、「井上雄彦は正統な日本画の継承者である」と述べられるなど、山下先生ならではの大変エキサイティングな講演でした。

この講演の全内容は、当館で発行予定の報告書に再録されます。お楽しみに。

| 井上雄彦展 | 07:40 PM | comments (x) | trackback (x) |
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