ライブデモンストレーション&トークを開催しました
「STANCE or DISTANCE?」展最終日となる12月6日に、渋谷慶一郎さんと人型アンドロイド《コウカロイド》のライブデモンストレーション、そして石黒浩×渋谷慶一郎×池上高志トークが開催されました。
![]() ライブデモンストレーションは、展覧会出品作人型アンドロイド《コウカロイド》が登場する音楽ライブです。今年2月にパリでおこなわれたライブの日本凱旋ライブ、そして国内では初めての開催となります。音楽家・渋谷慶一郎さんの音楽にあわせて、《コウカロイド》がフランス語で詩の朗読をしながら口や首、まぶたを動かします。 デモンストレーションの後は、そしてトークの開催です。池上高志さん(複雑系科学研究者 東京大学大学院 教授)、渋谷慶一郎さん、更に《The Mirror》を出品された藤井直敬さんと小川浩平さん(大阪大学石黒浩研究室)にも急きょトークにご参加いただくサプライズも!残念ながら、石黒浩さんは来熊がかなわず、スカイプでのご出演となりましたが、会場には石黒浩先生の姿をしたジェミノイドの頭部も登場しました。 ![]() 人の形をしていない「ロボット」ではなく、人の形をした「アンドロイド」が人間に与える想像力についてなど、熱いトークが繰り広げられました。 ![]() 写真左から、池上高志さん、小川浩平さん、渋谷慶一郎さん、藤井直敬さん
| STANCE or DISTANCE?展 | 07:00 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
安藤英由樹氏アーティスト・トークをおこないました
「STANCE or DISTANCE?」展の出品作家である情報科学研究者の安藤英由樹氏(大阪大学 准教授)に、これまでの研究や、美術館や科学館での展示活動についてご講演いただきました。
![]() 安藤氏の研究は、脳の情報処理の仕組みを活用して、錯覚を利用したインターフェースを開発すること。また、その技術開発を通して制作され、本展に出品されている《A day in their lives》《心音移入》、そして今回の体験ワークショップを行った《Save YourSelf!!!》についてお話しいただきながら、これまでにアーティストとコラボレーションした作品についてご紹介いただきました。 安藤氏いわく、科学者、研究者は問題解決が目的であることに対して、アーティストは作品を通して様々な問題提起を行うことが活動なのではないかとのこと。表現装置の研究開発をする安藤氏ならではの視点で、身体をめぐる科学とアート、受け手側の反応について語っていただきました。
| STANCE or DISTANCE?展 | 02:00 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
平衡感覚体験ワークショップを行いました
本日「STANCE or DISTANCE?」展会場入口にて、
安藤英由樹さんによる平衡感覚体験ワークショップを行いました。 穴の抜けたヘッドフォンのような機械で両耳をはさみ、 水の入ったボウルを持って水を揺らすと ボウルに浮かべた人形の平衡感覚が体験者に伝わり、 右へ左へとふらふらとした足取りに。 耳にあてたヘッドフォンから微量の電流が流れており、 平衡感覚を司る部分に刺激を与えることでこのような感覚を感じるとのこと。 不思議な体験に皆さん爆笑!?大好評でした! 明日は安藤先生のトークを14時から開催いたします。 ワークショップも引き続き、15時から開催します。 お申込みは熊本市現代美術館(096-278-7500)まで。 どうぞお楽しみに!
| STANCE or DISTANCE?展 | 03:00 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
林智子さんワークショップ「涙の記憶:思い出のジュエリー」
11月22・23日2日間にわたってSTANCE or DISTANCE展出品作家の林智子さんによるワークショップ「涙の記憶:思い出のジュエリー」を開催しました。(22日5〜12歳まで、23日12歳以上が対象)
まずは、展覧会場で林さんから、遠距離の2人が共有した触感の記憶を呼び起こす《Mtsugoto》など、自身の作品について語っていただき、林さんの記憶や五感への興味について共有しました。 ![]() 次に、キッズファクトリーへ移動し、みんなで林さんの作品《Tear Mirror》についてスライドを見ながらジュエリーのイメージを沸かせました。 《Tear Mirror》は世界中の人へ手紙を出して涙のエピソードとその人の涙を集め、それぞれのエピソードに合わせてつくったジュエリーのなかに涙を閉じ込めた作品。テクノロジーが数値で捉える感情に対して、「感情はもっと複雑では?」と疑問をもっていた林さん。もともと持っていた食や五感への興味や、食べることで感情の整理もできるのではないか、という思いから、砂糖と寒天でできた「琥珀菓子」に似たかたちを思いついたといいます。 今回は、涙は入れませんが、このジュエリーづくりに挑戦です。 まずはワークシートにそれぞれの涙のエピソードを書きこんでいきます。 みなさん真剣そのもので、集中して書き進めます。 そのときの気持ちを色で表すとしたら?という質問には対しては色を塗って表現しながら、イメージを膨らませていきます。 1日目の子ども向けのワークショップでは、どんな時に涙が出たのか、という質問に、「怒られた時」と答え、それを誰に伝えたいかという質問に「お母さん」と素直に答える子どもたち。林さんも子どもたちの様子に「可愛い可愛い」と喜ばれていました。また、中には「自分」に涙が出たことを伝えたいと答える、哲学的な子もいました。 2日目の大人向けのワークショップのエピソードには、思わず職員もほろりとくるエピソードも披露していただきました。 ![]() いよいよ、温めると変形する樹脂をつかって型づくりです。柔らかくなった樹脂を丸めて、ジュエリーを押し付け、冷えたら取り外します。 そこに、温めた寒天に色水を少しずつ加えたものを流し込み、冷やして固めます。 型をひっくり返して取り出すと、きらきらしたジュエリーが完成です。 つやつやしたその姿に、あちこちで「きれいー!」と歓声が上がっていました。 参加者のみなさんも手を動かしているうちに「まるい形をつくりたい!」「紙の上に垂らしてみたらどうだろう?」など、それぞれの発想が生まれてきました。 ![]() それぞれの色と形で、それぞれの思いが表現された思い出のジュエリーが完成しました!
| STANCE or DISTANCE?展 | 02:00 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
「STANCE or DISTANCE?」展 レクチャーカレッジ
「STANCE or DISTANCE? わたしと世界をつなぐ“距離”」展を企画した学芸員の芦田彩葵
が、本展の企画意図、展示構成や出品作品についてお話しました。 本展のテーマは、ずばり「距離」。 人は自身のことを考えたり、他者と向き合ったり、社会の問題や世界の出来事について考える時に、そこには、かならず対象と自身とをつなぐ距離があります。 インターネットの普及、東西の冷戦構造が崩れ、この30年の間に物理的、心理的、感覚的、社会的距離は大きな変化を迎えました。 この距離の感じ方や取り方は、科学技術の発展やライフスタイルの変化、育ってきた環境、歴史的背景や既存の制度によって変容していきます。 そう考えた時に、この「距離(Distance)」とは、現代社会の時代感覚を強く反映したものといえるのではないでしょうか。 本展では、自己、他者、世界、自然/環境との「距離」に焦点をあて、ロボット、インタクラティブ・メディア作品、彫刻、絵画、写真、映像など60点の作品を紹介しています。 日本初公開となる大阪大学石黒浩研究室開発のアンドロイド、渡邊淳司+安藤英由樹、藤井直敬らによる新作の体験型メディア作品、国内美術館では初展示となるミカ・ロッテンバーグやリー・ブラザーズの映像インスタレーション、阿蘇でのリサーチを重ね制作された林智子のインスタレーション、藤田桃子の巨大日本画をはじめ、出品作品の解説を交えながら、展示構成、出品作品の展示意図について語られました。 ![]() これら多様な作品を通して、人やもの、世界と向き合う「姿勢(Stance)」を見つめ直し、新しい関係性を築くきっかけが生まれて欲しいとレクチャーを締めくくりました。
| STANCE or DISTANCE?展 | 06:12 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
