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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

坂口さんは地元・熊本の作家というだけではなく、ジャンルを超えた考え方と行動も含め、日本のこの時代において、とても注目すべき、気になる人だと思います。
その坂口さんが、地元の熊本市現代美術館で展覧会をやると決まったのが5年前です。それまでにも、坂口さんは様々な表現をいろいろな媒体や場所でされてきましたが、美術館で表現するということは、今まで何をやってきたかということを自分が振り返ることでもあります。ましてや現存する作家なので、美術館の学芸員と二人三脚のような形で、どんな展覧会にしようかと考える機会にもなります。5年間の間に坂口さんも考え方がいろいろ変わったでしょうが、特にこの5年間は予期せぬことが次から次へと起こっていた時代でもあります。その中で、何を考えて、どのような形態で発表していくのかを考えたと思います。

会場を見ていただくとわかると思いますが、「今から発信するぞ」というアトリエ的な空間もあります。そして絵画にとどまらず、音楽も坂口さんの表現としてこの空間の中で体感するシーンもあると思います。
きっと変化し続ける展覧会になると思いますので、みなさんと一緒に「目撃者」となって、この展覧会を過ごしていければいいなと思います。

日比野克彦

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