CAMKブログCAMK Blog

美術館の日常のあれこれをお伝えします。

「動画クリエイター展」館長挨拶

2023.07.07 , , ,

午後2時からプレス内覧会を行いました。私もプレスの方とともに体験コーナーで体験したり、あらためてWindows 95からはじまる動画クリエイターの歴史の年表を見たりしました。動画クリエイターたちの動画、動画クリエイターたちにインタビューしている映像もあります。

最初、「どんな展覧会になるのかな?」と思っていましたが、簡単にハマりました。こういう「ハマりやすい」というものが波及していく力があるのかなと、あらためて体験して思いました。

さきほど大西市長の挨拶の中にもありましたが、私が4月から市役所の中の文化顧問という役割をおおせつかっています。その背景には、この美術館が熊本市の美術館ということで連携していくということと、市長が文化政策を行政の中心に据えているという方向性があります。美術館の連携、文化との連携をいろいろと考えていくポジションをおおせつかっているわけです。

熊本に来るたびに市役所の悩み事を毎回聞きに行くんです。今日も市役所の自転車利用推進課に行ってきました。
今、自転車を乗ると、「ヘルメットをしましょう」となっていて、義務じゃないけど「努力義務」ということになっています。なかなかそれが波及していかない。どうしたらいいんだろうかと、市役所の中の自転車利用推進課の人たちと話していました。
例えば、お巡りさんたちが交通安全ルールの講習会をして映像を見せたり、いろいろなメーカーが自社のヘルメットをPRしたりします。
今ちょうどはじまる「動画クリエイター展」では、「誰が発信するのか?誰に向けて発信するのか?ということが大事だね」という話をしていました。

会場の中には、YouTubeに出てくるワンシーンのように10秒くらいの動画が撮れる体験があります。誰でも簡単にできる、とはいえ文字を入れて編集するのは大変な作業ですが、それさえ簡単にはじめてでもできてしまう。
ということで、「ヘルメット推進」を、「動画クリエイター展」の中にある誰でもできる体験コーナーで撮ってみたらどうだろう?ということを午後4時くらいに思いつき、開会式がはじまる5時までならできると思いました。市役所はここから近いので、市役所の自転車利用推進課の人たち7~8人に来てもらって動画を撮りました。大変いいできになりました。自転車利用推進課のInstagramにあげることになっています。

きっと、今まで届かなかったところに届いていくことになると思います。美術館にもこれまで美術館に来たことがなかった観客の人たちも明日から来ることになると思います。
そのように、動画クリエイターは、YouTubeという新しいクリエイティブのフィールドで、新しいクリエイターたちが誕生し、メキメキと増えている領域なので、これまでのアートとはまた違う客層やファン層が広がっていくんだなと思っています。

明日から市役所の自転車利用推進課のInstagram(@kumamotocity_jitensha)をご覧ください。「動画クリエイター展」の宣伝にもなっていますし、自転車利用推進課の「ヘルメットつけましょう」というPRにもなっている発信力のあるものになっていると思います。
これまでいろいろな展覧会がありましたけど、内覧会で動画をつくって発信していくという、そんなものはなかったと思います。「活用」の仕方があるのだと実感しました。動画が撮れる簡単なスタジオ的なコーナーがいくつかあります。いろいろな人が来て、いろいろなふうに活用していくことによって、クリエイターが増えていったり、この世界の役割が変容していったりするんだなと感じました。

ぜひお楽しみください。

日比野克彦

 

カテゴリ別一覧Categories

月別アーカイブArchive