2024年度 博物館実習の一コマとして、「まちと美術館―月曜ロードショーの舞台裏―」を開催しました。
前半は担当者が、まちと美術館について話しました。なぜ「まちと美術館」という講義テーマがあるのか? 近年、美術館が「コミュニティへの参加」を重視されている背景や、「街なか」という当館の立地条件、これまでに実施してきたまちと関わるプログラム等について紹介しました。
次に、今回の講義で具体的に取り上げる月曜ロードショーについて、概要を説明しました。映画を含む美術と技術の歴史的な関係、映画を応用した現代美術の作品、他の美術館における映画上映プログラムの例まで、話を広げました。
後半は、特別ゲストとして月曜ロードショーの企画協力をお願いしている菅原龍人さんに加わっていただき、一緒にトークを進めました。
なぜ菅原さんに頼むことになったのかという経緯から、どのようにアイデアを出したり相談しているのか、具体的な上映作品を挙げながら話しました。菅原さんは、まちの古本屋(古本タケシマ文庫)や催事を営むことでの経験や知識・情報・考え方を、当館担当者は、展覧会との関わりや毎週の運営を通して来場者の方に教えてもらうことを、それぞれ「映画の専門家ではないけれど」、模索しながら月曜ロードショーの企画に取り組んでいることを話しました。ここ数ヶ月分の上映プログラムを振り返りながら、「がんばってますね……」と二人でしみじみ。
菅原さんからは、月曜ロードショーと古本屋との類似点として、「誰かがつくったものを誰かのもとへ届ける」という話も出ました。また、「月曜ロードショーは映画館にはなれない。でも(だから)できること」として、無料だからこそのゆるさや毎週のちょっとした楽しみなど、あまり表には見えてこない価値を見出して、話を広げてくれました。
実習生からのコメントにあった「専門家ではないから長く続けられているのではないか」という言葉を励みに、今後も菅原さんやまちの方々にいろいろと教えてもらい試行錯誤しながら、「月曜ロードショー」の企画・運営を行っていきたいと思います。
【参加人数20人】