衣裳家の藤谷香子さんをお招きしてワークショップを開催しました。
ワークショップ開始は「LOVEファッション」の基本的な会場構成についてのレクチャー。
スライドで展示されている衣服の写真を見ながら、展覧会の5つの章を具体例に、衣服と欲望の話がありました。
次にワークにとりかかります。
まずは普段どういう基準で服を選択するのかを紙に書き出します。
・個性的でいたい
・着心地がいい
さらに、その選択の動機を書き出します。
・仕事では着れないから
・自信がもてるから
・人目を気にしているから
書き出しながら、藤谷さんが参加者のところへ周って話を聞き出します。話すことによって、感覚的な選択の動機に、それぞれ納得するような自分の欲望や願望の輪郭が見えたようです。
書き出した中で、「この動機をもとに作ってみよう!」という要素をピックアップ。
制作にとりかかる前に、展覧会会場をぐるっと一周して、実物の衣服をみながら仕上がりをイメージを広げました。
いよいよ制作タイム。時間はなんと30分!
予想外の短さに、参加者のみなさんは一斉に集中して取りかかりました。
30分と少し経ったところで、全員アイテムを作成して装着も完了。
身につけた状態で、再び展覧会会場の展示された衣服の間をランウェイのように歩きました。
その後は、それぞれどのようなことを考えて制作したかを発表。
「ファッションに興味ないし場違いかも………」と最初は思っていた方が思い切った全身の衣服をつくりあげて堂々と着こなしていたり、最初に話した服の選択と動機が、自分で作った服に着がえて話すときには、悩みも含めて堂々と楽しそうにしている姿が印象的でした。
静かにはじまったワークショップは、内面を煮詰めて煮詰めて……最終的に一気に弾けたアイテムの数々が生まれました。服を作って着たり、お互いの服を見てみたりと、ファッションの楽しさをたくさん感じたワークショップになりました!
【参加人数18人】
参加者制作の1点と藤谷さん制作のサンプル2点をART LAB MARKETに展示しました。
期間:2025年2月8日(土)–2月26日(水)
場所:ART LAB MARKET
点数:3点
参加者成果品
「自信がもてること」「印象的であること」をもとにつくられたヘッドピースは会場の髪飾りがモチーフのヒントになったそうです。平面性と立体性がうまく機能して、様々な角度で一目置かれる品です。
藤谷香子「強くなりたい」
ビロードのような素材の特殊紙をぐるりとアームカバーのように仕立てています。
筋肉やロボットのようなフォルムに、黒が強さを強調します。
「強くなりたい。けど、かわいさも」と欲張りに、小さなリボンが右腕と左腕にそれぞれちょこんとついています。その思いがかわいらしさとたくましさを感じさせる品です。
藤谷香子「エレガントになりたい」
会場にも展示されているバッスル・スタイルのような段差のついた膨らみがあるスカート。
「エレガントな知的さを新聞で」という素材選択も流石です。