ギャラリーI・IIで開催している公募展「第30回熊本市民美術展 熊本アートパレード」の審査員、都築響一さんによる審査員講演会を開催しました。
都築さんは取材で何度も熊本に足を運ばれている編集者です。本講演会では、「TOKYO STYLE」や「ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行」「僕的九州遺産」などから、特に九州に関わるものを中心にこれまでの仕事を紹介しつつ、どうしてそれらを取材してきたのかが語られました。
熊本市から近いところでは、八代の河童のモニュメント、日本で唯一残るグランドキャバレー白馬なども取り上げ、熊本から遠くの東京だけではなく、少し近くの八代にも目を向けることで、身近なところにあるおもしろいものも含めて2倍に楽しめるという見方を話されました。
今回、都築さんが設定した熊本アートパレードのテーマは「かっこわるいけどかっこいい」。都築さんがその後に紹介した「おかんアート」や「BORO」「暴走族」などのように、「かっこわるい」とされているかもしれない身近のものは、あらためてよく見てみると、スピリットが溢れて「かっこいい」と感じるものかもしれません。
「そのもの自体は変わっていないのに、自分の変化によって、全く違う存在に見えてくるというのがアートの奇跡であり、一番スリリングな瞬間、体験だ」と語る都築さんの言葉は、日本や世界のロードサイドを20年以上、取材し続けてきた実感のこもった言葉でした。
【参加人数78人】
第30回熊本市民美術展 熊本アートパレード
会期:2019年3月20日(水)–3月31日(日)
会場:熊本市現代美術館 ギャラリーⅠ・Ⅱ *入場無料
【出品点数309点】
コラボレーターの会 特別展示
【出品点数9点】