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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

きっかけは「彫刻」。展
東京国立近代美術館学芸員による特別講演会

2019.09.21 ,

東京国立近代美術館の所蔵品展『きっかけは「彫刻」。-近代から現代までの日本の彫刻と立体造形』の関連イベントとして、同館美術課長の大谷省吾氏をお迎えし、講演会を開催しました。
初めは、東京国立近代美術館のご紹介から。重要文化財を含む約13,000点の収蔵作品の中から、本展に出品をされています。
『きっかけは「彫刻」。』をテーマに、「近代から現代までの日本の彫刻と立体造形」と副題が続くこの展覧会ですが、明治期に誕生した「彫刻」という言葉が、時代を経て様々な作品が生まれる中で変化していることを表すようなネーミングとなっています。
その導入では、スライドに「これは彫刻でしょうか?」という質問に、大仏やマネキンやこけしなどの立体の造形が映し出されました。お客さんも、これは「彫刻」とは違う呼び方をするのではないか?と、言葉の持つ定義に考えを巡らせていきます。それから、本展のお話と日本彫刻の歴史について語られていきました。

本展で、3点のそれぞれ離れた時代の作品が展示されている高村光太郎。
特に「手」は、東京国立近代美術館所蔵の他にも存在し、3点をスライドで見比べました。木製のスタンド部分を特徴に、大仏のように正面から見る日本の伝統的な表現から、台座にひねりを加えられ躍動的に変わっている様子が見られました。「手は、色んな角度から見てほしい」と大谷さん。その後、荻原守衛、平櫛田中、橋本平八、戦後の彫刻では、佐藤忠良、舟越保武など時代ごとのキーパーソンについて話されました。
最後には、近代から現代までの彫刻について「異文化に出会って葛藤しあって生み出されてきた」と締めくくられ、歴史を知ることでより興味が深くなる「彫刻」の魅力を感じる講演会となりました。

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