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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」
[パブローブ]きがえるワークショップ 新春ふくわらい

2020.01.05 , , ,

「ドレス・コード?」展関連イベント「パブローブ」の空間で1月4日と5日に「新春ふくわらい」ワークショップを開催しました。

「パブローブ」とは、「パブリック」と「ワードローブ」を掛け合わせた造語で、誰でも使える衣装ダンスをみんなで作る、アーティストの西尾美也さんによるプロジェクトです。
〈勝負服〉をテーマに多くの方から服をご寄贈いただき、当館の一角に「パブローブ」の空間が出来上がりました。普段は服の試着や、服にまつわるエピソードの閲覧、〈勝負服〉の交換をすることができます。

今日は、いつも服を選んでいるときに使っている視覚を遮り、目を使えない状態で服を選んで着替えるワークショップを開催!触覚や嗅覚、想像力を頼りに着替えます。
「パブローブ」会場内にテントを張り、その中に様々な服を入れ、さらにその上に白い布を被せ、準備完了。全貌を隠した状態で参加者をお迎えします。参加者の方にはまずテントの中に入っていただき、その後アイマスクを掛けていただきます。
見えていないことを確認し、白い布で隠していた服をお披露目。
服のある方に手を誘導し、着替える服選びを始めていただきます。

姉妹で参加の女の子たちは、一つ一つ丁寧に服を吟味していました。
手触り、形、どうやったら着ることができそうか、ゆっくり触れて確かめながら真剣に着替える服を選んでいきます。
いろんな服を触った後に、お姉さんはふわふわさらさらとした触り心地のチュール生地に興味があるようで、その服に着替えることに決定。穴が空いていることや、細い紐やファスナーが付いていることを確認し、ワンピース状の服であることが分かったようです。固いファスナーを下ろすことに少し苦戦していましたが、すっぽりとチュチュに着替えていました。
一方、妹さんは柔らかな手触りの服に着替えようと服の形を確認。大きな穴があることに気づき、頭から服を被ります。大きすぎて、足元に服が落ちそうになりながらも、腕を通すことのできそうな場所を発見。細い紐と布の間のわずかな隙間に腕を通し、完成です!スカートをまるで古代ギリシアのキトンのように着こなしていました。
普段はしない着替え方になることもこのワークショップの醍醐味です。
お母さんも、女の子たちも、着替え終わった姿を見て笑みがこぼれていました。

一人で参加の男の子は大胆に服を触っていきます。
大きく広げてみたり、穴を見つけては手や足を入れてみたり。体をたくさん動かしながら着ることができるかどうかを試しているようでした。触り心地や形を確認しながら着替えてみたい服を選びます。少し固い手触りのジャケットに何度も袖を通そうとチャレンジするのですが、左手の袖に右手が入り、すんなり着ることができません。いつもなら簡単に腕を通している服ですが、見えないことで着替える困難さに直面!最終的に本人の納得のいく形で着替え終わることはできませんでしたが、いろんな服に着替えてみるという挑戦をすごく楽しんでいただきました。

お父さんがワークショップに参加してくださったご家族もいました。
「3つの服を組み合わせて着替えます」と、独自ルールを追加して着替えを開始!
大雑把に手触りや素材感で着替えるものを3つ選んだ後に、細かく服の構造を探って着替えていきます。スカート、ポンチョと順調に着替えが進むのですが、最後に選んだ服はなんとお宮参りで着用されていた子供用袴。普段触れることない服に悪戦苦闘。どういう服なのかも目隠しした状態では分かりません。長い紐があることを見つけ、最終的にはマントのように着用されました。

ご参加いただいたどのご家族もじっくりと服に触れ、着方を探り、ワークショップを楽しまれました。

【参加数7組18人】

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