GIII vol. 129「新しい古本」
[イベント]新しい古本0円市
2019.08.25
新しい古本 , 2019年 , 【展示】ギャラリーIII / #本と人と作品の空間を考える , #新しい古本 , #山下陽光
ギャラリーIIIで開催している小企画「新しい古本」の最終日に、「新しい古本0円市」を開催しました。
「新しい古本」を企画した背景の一つは、増え続ける蔵書の管理と活用の問題でした。とりわけ毎月発行される雑誌は、現代美術や思想、社会の動向を紙媒体でも提供すべく、収集・公開を続けています。しかしスペースには限りがあるため、それらのより良い活用を模索していました。
そこで今回、「新しい古本」の企画に協力してくれている山下陽光さんによる「0円ショップ」や「面白いこと1000」「文字の等価交換」といったアイデアを基に、当館がかつて開架していた雑誌のバックナンバーを「面白いこと」と交換して0円で売るというイベントの実施を試みました。
始まる前から、どこからともなく本好き、古本好きとおぼしき方々が集まり、さながら古本市のような雰囲気に。みなさんそれぞれお目当てのものを見つけ、せっせと「面白いこと」を書いて交換していきました。
なかにはイベントの最初から最後まで、約6時間も古本を漁って「面白いこと」を書き続けた強者が現れたり、「面白いこと」1枚につき自分の年齢1歳ずつの記憶を書き記し、人生を綴ったシリーズも生まれました。
「暗い世の中で、みんな泣き言か絶望ばかりで、特に震災以降は暗すぎて、いやいや、毎日面白いこと50個くらい楽勝で書けるっしょ」(山下陽光「面白いこと」876)と言って「面白いこと」を書き続けていた山下さんのノリが、本を手にすることや、文字を書くことの楽しさ、面白さとともに生まれたイベントになりました。
【参加人数330人 交換冊数206冊】
GIII vol. 129 本と人と作品の空間を考える03
新しい古本
会期:2019年 7月10日(水)–8月25日(日)
会場:熊本市現代美術館 ギャラリーIII *入場無料
企画協力:山下陽光(「途中でやめる」主宰、「新しい骨董」メンバー)