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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

ドレス・コード?――着る人たちのゲーム
アートバス

2020.01.31 , ,

熊本市現代美術館では、熊本市内の小学校を対象に、貸切バスをチャーターし、美術館での鑑賞・体験活動をサポートする「CAMK アートバス」事業を行っています。

本日は熊本市立小島小学校の1年生から6年生まで21名が来館。
午前中は美術館の中を探検と「ドレス・コード?」展を鑑賞。午後はワークショップを行いました。

美術館の探検では、本の沢山あるホームギャラリーから一般公開していないバックヤードまで、館内を一周しました。
普段は見ることのできない美術館の裏側に皆さん興味津々。

「ドレス・コード?」展の鑑賞では、学芸員の解説を聞きながら、普段着ている服や目にしている服について、展示している作品から思いを巡らせていただきました。
同じ日時場所で同じような装いの人々を撮影したハンス・エイケルブームの《フォト・ノート》をじっくり見た生徒からは、いろんな国で撮影されているというところにも興味を引かれたという感想を聞きました。

ワークショップは2種類行いました。
1つ目は本展の関連イベント「パブローブ」の服に着替えるというもの。
(「パブローブ」とは誰でも使えるみんなのワードローブを作るという、アーティストの西尾美也さんのプロジェクトです。)
目隠しをして着替える「くらやみおきがえ」とくじ引きで運に任せて着替える服を選ぶ「くじびきおきがえ」を実施しました。

「くらやみおきがえ」はテントの中に入り、アイマスクをして着替えを行います。
普段しない着替え方に大盛り上がりの生徒たち。
スカートをネックウォーマーのように纏ってみたり、ズボンの片足に両足を入れて穿いて見たり、見て着替えることができないからこその独創的な着替え方をする生徒もいれば、時間をかけて服の形を探り、本来の着方で着替えている生徒もいました。
定員4人のテントの中は代わる代わる生徒たちが入り、ワークショップの時間中満員でした。

「くじびきおきがえ」ではくじに書かれた番号と同じ番号の服に着替えます。
どんな服が当たってもできるだけ着替えてみることにしました。
ドレスが当たって嫌々ながら着替える生徒もいれば、ポージングをとって先生に写真を撮ってもらう生徒もおり、当たる服によって着替えた後のテンションも様々。
新しいくじを引いて次の服に着替えることもできるので、生徒たちは何度も着替えていました。
ワークショップを行う中で、自分の気にいる服や気に入らない服、いろんな服との出会いがあり、何度も着替えていくうちに装うことの意味を獲得しているようでした。

2つ目のワークショップでは「明日着たい服」を自由に想像して描きました。
今日着たお気に入りの服を撮影した写真を元に描く人もいれば、他の人の明日の服を描く人、好きなモチーフを詰め込んで描く人など、出来上がった絵はそれぞれの個性が光るものでした。

アートバスの感想では、「服はどれも同じだと思っていたけれど、お気に入りの服を見つけたら着替えるだけで気分が変わりました」と話してくれた生徒もいました。
今日来てくださった小島小学校のみなさんにとって、刺激的で面白い美術館体験になっていたらいいなと思います。

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