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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

G3 vol.133 高浜寛のマンガに登場するアイテムで読み解く19世紀末展 見どころ⑤

2020.03.11 , ,

コロナウイルス感染拡大防止のため、残念ながら当面閉館となりましたので、開催中の展覧会「高浜寛のマンガに登場するアイテムで読み解く19世紀末(ベル・エポック)-『ニュクスの角灯』、『蝶のみちゆき』…」展の再開を待って下さっている皆様に、見どころを担当学芸員がご紹介していきたいと思います(不定期連載)。

さて、いよいよ『ニュクスの角灯』に進むその前に、高浜先生が展示中に「会場でこれが一番面白いかもね!」とコメントした、高浜さん作図ワールドマップ(制作メモ兼ねる、年表付き)(出品番号21)をご紹介します。

サイズは、60.0×90.0cm。折りグセも強く穴もちらほら。展示前に「無いと困るから…」と両面を原寸大コピーするほど、高浜先生の作品構想と史実検証に必要な貴重なものです。

中央下部には、『ニュクスの角灯』に登場する、松尾儀助や大浦慶といった実在の人物の個人史年表の記載があります。儀助さん、当時にしてはすごく背が高い人だったんですね…!

さらには、百年の略年譜もあり、本作(1878年時点)での年齢がここで明らかに…!パリでジュディットと過ごしたハイティーン時代の年齢も明らかです。となると「扇島歳時記」での百年の年齢も察しがつきますね。

裏面もちらり。1866年―67年の国内外の大きな動きが年表に。何月に何が起きたか、文化、芸術、政治、経済の情報が色々書き込まれています。

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