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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

熊本市現代美術館のギャラリーIIIでは、GIII vol. 129 本と人と作品の空間を考える03「新しい古本」が始まりました。

本小企画は、日々どのように本を活用するか考え、試行錯誤する「本と人と作品の空間を考える」シリーズの第3弾。今回は、雑誌のバックナンバーを開架するとともに、古着をリメイクした服「途中でやめる」の販売や「〈新しい骨董〉とでもいうべき何か」の探索にも取り組む山下陽光さんの企画協力のもと、「現代美術館」としての本や情報の新たな価値について考える機会をつくりました。

会場には、山下さんが面白いと思った様々な本が並べられています。雑誌以外はすべて山下さんの蔵書(私物)です。

これらの本を、「高円寺シリーズ」「反インターネット」「牛丼を無茶苦茶美味しく食べるラジオ」「面白いこと」といった山下さんがこれまでブログやメルマガで語ってきた言葉(思考)でゆるやかに括ることで、山下さん独自の視点と思考が飛び交う空間になりました。

展示されているものは、社会的な出来事や動向に関わるものから出版されていない個人の日記まで様々です。しかしどれにも、現代の日本社会や著者・個人に対する山下さんの考えやスタンスを読み取ることができます。

会場内にも設置している、本小企画に際して発行されたZINE「新しい古本」には、山下さんの過去のブログなども収録されています。

山下さんのアンテナが張り巡らされたこの空間で、ネットサーフィンをするように過ごすことによって、本や情報を介した、新たな価値に遭遇できるかもしれません。

 

作品リストはこちら


GIII vol. 129 本と人と作品の空間を考える03
新しい古本
会期:2019年 7月10日(水)–8月25日(日)
会場:熊本市現代美術館 ギャラリーIII *入場無料
企画協力:山下陽光(「途中でやめる」主宰、「新しい骨董」メンバー)

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