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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

G3 vol.133 高浜寛のマンガに登場するアイテムで読み解く19世紀末展 見どころ⑩

2020.03.26 , ,

コロナウイルス感染拡大防止のため、残念ながら当面閉館となりましたので、開催中の展覧会「高浜寛のマンガに登場するアイテムで読み解く19世紀末(ベル・エポック)-『ニュクスの角灯』、『蝶のみちゆき』…」展の再開を待って下さっている皆様に、見どころを担当学芸員がご紹介していきたいと思います(不定期連載)。

今回は『ニュクスの角灯』4巻にフォーカスします、こちらのコーナーです。

さて、これまで触れずにいた、各巻の書影について、とうとうご紹介します。
まずもって本展出品の書影データおよび版下原稿データはリイド社さんよりご提供いただきました、ご協力に心より感謝です。
で、この書影データなのですが、本展ではB2サイズにプリントして、ポスター風にして出品しております。その理由としては、19世紀末のフランスといえば、ミュシャやロートレック、シェレなどポスター芸術が花開いたことで有名ですので、そのことへのオマージュでもあります。高浜先生がジュディットが出演した演劇のチラシをシェレ風に描いていることもきっかけのひとつ(3巻86頁)。
そして、とても重要なことは、拡大プリントしたことによって、書影の美麗さが明らかになったことです。出力紙を受け取った時に興奮しました…。うち、私的に最も美しい4巻書影(出品番号61)が今回の見どころです。

そしてこちらがその原画(出品番号62・63)!原画には岩爺もいますが、画面構成後に出演見送りになったようですね。こちらの原画がスキャンされて、構成されて、着色されて完成されていく…、そのお仕事の様子、こっそり拝見してみたいです…!

ちなみに、この作品にも、本展出品のパウダーケース(出品番号46)が登場してます。ドレッサーにふさわしい小物の登場によってリアリティが増しています。

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