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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

休館中の活動をご紹介③ 「ミュージアムIPM」

2020.05.08 ,

外出自粛や在宅勤務などで空いた時間に、家のお掃除をがんばっておられる方も多いのではないでしょうか?
実は美術館も日頃のお掃除をとても大事にしています。

美術館に保管されているたくさんの美術品(文化財)には、紙や木や布など、虫やカビなどが好む素材が多く使われています。
これらの美術品を大切に守る為に、スタッフが日々行っている活動のひとつがミュージアムIPMという活動。(※IPM=Integrated Pest Managementの略称。総合的病害虫管理)IPMとは、薬剤に頼らない、安全で自然な管理を日常的に徹底することによって、虫やカビによる被害を食い止めようというもので、掃除機をかけたり、ぞうきんで拭いたりする、日頃のお掃除と同じようなものです。その中でも、効率的に虫やカビの発生を防ぐためには、どこにどの時期にどんな虫が発生しやすいかを把握しておくことは大事な活動のひとつです。

館内でみかける「トラップ」は、箱の中の粘着で虫を捕まえるもの。家庭用のゴキブリ駆除剤と違うのは、虫をよび寄せる「誘発剤」や「殺虫剤」が使われていないところで、虫の発生源や個体数を調べます。

 

現在、館内には16個のトラップが設置されていて、休館中も変わらず虫やカビのチェックをおこなっています。回収したトラップは、虫の種類や発生場所をデータ化してスタッフ皆で共有、掃除に反映します。蓄積されていくデータから、季節ごとの傾向も見えてきて、美術品や来館者の快適な空間を守る活動に活かされていくのです。

 

 

#美術館のお仕事

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