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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

ライフ展連載⑤ 渡邊義紘

2020.05.11 ,

渡邊義紘さんもまた開館記念展に出品したアーティストの一人です。

当時、熊本養護学校中学部1年生だった渡邊さんは、日々、虫や生き物を観察し、図鑑などを見ては、切り絵や、紙粘土で克明に再現していました。そして、興味や関心を持った人に、それらを何でもあげてしまっていたといいます。吃音もあり一般的なコミュニケーションが難しい渡邊さんにとって、自分が作ったものを通して、誰かとつながり、喜びを分かち合う、それがものを作ることの原点にあるのではないかと、家族の皆さんは語ります。

近年の渡邊さんの切り絵は、毛並みや筋肉や骨格、表情などが更に細かく表現され、驚くべきことに、1枚の紙からすべてがつながったまま、切り出されています。また、クヌギの葉をネズミやクマ、サイなど十数種類の動物のかたちに折り分けていく「折り葉(おりは)」にも取り組んでします。国内外の展覧会に多数出品し、家族のサポートに支えられながら、実演などのライブ活動を続けています。

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