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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

ライフ展連載⑥ 松本寛庸

2020.05.12 ,

松本寛庸さんの作品を見ると、自分という存在が、広大な宇宙の中の極めて小さな星の一つのように感じられると同時に、その一つ一つが、何らかの色や個性を持ち、等しく、そして確実に、その宇宙の中に存在しているイメージを想起させ、いつも澄んだ、温かな気持ちになります。

3 歳で高機能自閉症と診断された松本さんは、生き物や宇宙、歴史などに興味を持ち、図鑑や歴史書などを繰り返し読んできたといいます。作品には、色鉛筆や水性ペンを用い、描く部分以外を汚さないよう新聞紙でカバーして描き進めていますが、画面には修正したり、ペンが乱れたりしたような跡は一切ありません。

パリのアル・サン・ピエール美術館で開催された「アール・ブリュット・ジャポネ」展に出展。その後、2013 年に当館に巡回したことが出会いとなりました。同展をきっかけに、障害者の芸術活動を支援する「アール・ブリュット パートナーズ熊本」が発足し、松本さんも巡回展などの活動に参加しています。

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