木下今朝義《島の女》 1992年 油彩、キャンバス 91.0x116.7㎝
金陽会のメンバーで人物を多く描かれているのは、入江章子さんと木下今朝義さんですが、
ポートレートが多い入江章子さんに比べ、木下今朝義さんが描く人物には何かしら物語が
あるように思います。その中でもこの《島の女》は秀逸で、しっかり描き込まれていることから
モデルがいらっしゃったのかもしれません。
つややかな髪、目を引くストライプの柄、赤いスカートに合わせた真っ赤なマニキュアには、
いわゆる女性らしさが詰め込まれています。満面の笑みも存在感たっぷりです。
木下さんが描く人物には必ずと言っていいほど赤色が印象的に使われていますが、
お好きな色だったのかもしれません。
(蔵座江美・ヒューマンライツふくおか理事)