CAMKブログCAMK Blog

美術館の日常のあれこれをお伝えします。

ラジオ特別番組 谷川俊太郎「新空間ラジオ」

2020.06.27 ,

「谷川俊太郎展」が6月27日より開幕しました。
初日にはオープニングイベントとして、特別番組 谷川俊太郎「新空間ラジオ」が地元ラジオ局FM791で生放送されました。

谷川さんは東京のご自宅からリモート出演し、展覧会にまつわるトークや詩の朗読、お気に入りの音楽をお届けくださいました。

番組内の選曲はすべて谷川さんによるもので、「鉄腕アトム」の主題歌(谷川賢作ピアノソロvol.4より)からスタートしました。
谷川さんは登場とともに、本展の展示の軸にもなっている作品「自己紹介」を温かみのある声で朗読してくれました。
そして展覧会の見どころや新作詩、美術館展示ならではの工夫点などを当館の担当学芸員がご紹介し、パーソナリティの風戸南陽子さんと3人で番組が進んでいきました。

番組中盤には、本展企画チームの大島依提亜さん(会場グラフィック)と五十嵐瑠衣さん(空間構成)もゲストとして特別出演してくれました。
お二人は東京での「谷川俊太郎展」の立ち上げ時を振り返り、
企画の構想はまず谷川さんの詩をチームで読み込むことから始まったことや、膨大な谷川さんの作品を展覧会に仕立てていくにあたって、「自己紹介」(2007)という詩を基点にして谷川俊太郎を見せていくという着想、そして美術館という空間の中でどのように詩を立体的に見せるかという構想など、展覧会の舞台裏を紹介してくれました。

リスナーからの谷川さんへの質問コーナーでは、
「好きなことはなにか?」「どうしたら、素直に文字を紡げるようになるのか?」「詩をつくる時に大切にしていることは?」など、幅広い問いが寄せられました。
「読む人が心を動かしてくれること。読者を考えながら詩を作ることを大切にしている」といった質問への答のほか、トークの中では「ちょうど昨日『ピーナッツ』の翻訳を全て終えた」というタイムリーな話題も飛び出しました。
リスナーからのメッセージの中には、谷川さんの作品を長年にわたり親子で楽しまれているという声や、なんとアメリカから聴いているという方からの投稿も!
最後は谷川さんから改めてラジオのおもしろさについて触れるコメントもあり、番組は締めくくられました。

この「新空間ラジオ」は、美術館のエントランスでも放送し、来場者の方々も和やかな雰囲気の中で耳を傾けていました。


photo: 深堀瑞穂

カテゴリ別一覧Categories

月別アーカイブArchive