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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

田中達也 アーティストトーク

2021.03.05 , ,

「MINIATURE LIFE展2 -田中達也 見立ての世界-」関連イベントとして、
作家の田中達也さんによるアーティストトークを開催しました。

作家の田中達也さんご本人と、本展担当である当館学芸員との対談形式で行われた今回のトーク。
田中さんの作家活動や経歴、制作秘話、また、熊本での小中高校時代の思い出やミニチュアとの出会いなど、田中さんにまつわる様々なエピソードが展開されました。

本展のタイトルにもなっている「見立て」という言葉。
田中さんは3人兄弟の双子の弟として育ち、子供の頃は少ないおもちゃを使って創意工夫をしながら遊んでいたそうで、
その経験からものを使って「見立て」ることに、幼いながらも意識を持ち始めたと、幼少期の思い出とともに話してくださいました。

学生時代は、木炭デッサンやイラスト作品を制作するほか、三味線にも興味を持ち挑戦するなど、
様々な分野の中で田中さんは興味のあることにチャレンジし、その体験の中でも「見立て」ることを自然と意識したとのこと。
それぞれの体験をきっかけに、「イラスト制作や三味線の演奏など、今自分がしていることも「見立て」なのではないか。見立てることをテーマにして作品を作ってみたらどうだろうか」と本格的に考えるようになったと語ってくださいました。

卒業後は鹿児島の地元誌を刊行している会社に就職し、その会社でデザイナーの仕事をしながらミニチュア作品も少しずつ制作。
作品をSNSに投稿するようになったのは、田中さんのご友人が「作品おもしろいし、SNSに載せてみたら?」と言ってくれたのがきっかけで、毎日投稿するようにしたところ、国内から海外まで、幅広い層にミニチュア作品の話題が広がっていったそうです。

また、作品や制作について質問されると、
「モチーフが変動する中で、いかに自分の作品として魅せることができるか、また、自分の作品を子供に見せて理解してもらえるかなどを考えながら制作をしています。 見る人に自分の作品の意図が伝わるのかが一番大事で、子供の目線だとより作品についてどう感じるのかが
素直に伝わるので、子供の意見を参考にすることも多いです。」と、作品制作に対する想いも話してくださいました。
他にも、シュルレアリスム画家のマグリットや米画家のノーマン・ロックウェルにも影響を受けていたり、作品にはドイツ製の人形を使っているなど、作品にまつわる様々なお話を聞かせてくださり、とても充実したトークイベントとなりました。

【参加人数約50人】

 

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