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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

体験型シンポジウム「災害時のアートインフラを考える」レポート(後編)

2021.07.10

続いて、シンポジウム後編では、舞台俳優でプロデューサーの松岡優子さんに登場いただきました。
稽古場や自宅が大きな被害を受ける中で、クラウドファンディングで演劇祭を行ったり、
有志とともに仮設住宅にアウトリーチに行き、初めに行ったのは将棋だったという経験や、落語会や
宮城から来たご当地ヒーローショーの話など、演劇やパフォーミングアーツに何が出来るのかという
経験や葛藤を真摯に語っていただきました。

パネリストの最後は、クリエイティブ・ディレクターでBRIDGE KUMAMOTO代表理事の佐藤かつあきさんです。
佐藤さんは熊本を中心としするクリエイターのメンバーと共に、益城町で使われなくなったブルーシートを
「ブルーシードバッグ」として蘇らせ、その販売した収益を還元する活動で知られています。各地で災害が
相次ぐ今日、現在進行形で、様々なプロジェクトを立ち上げ、進行させる佐藤さんのアクティブな姿勢に驚かされました。

シンポジウムのまとめには、岩崎千夏・熊本市現代美術館副館長が登壇しました。熊本地震での経験をふまえながら、災害時にアートや美術館がどのようなことができるのか、そしてその経験を次へと語りつぎ、渡していくことの重要さを改めて感じました。そのような話の間に、上川さんのグラフィック・レコーディングが完成しました。

シンポジウムの内容はアーカイブといてみる事ができるほか、グラフィック・レコーディングを東京藝大美術館で7月22日から開催される「SDGs×ARTs 十七の的の素には芸術がある」展で展示します。お近くにお越しの際は、ぜひ足を運んでいただければ幸いです。

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