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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

GIII vol. 144 太田三郎 切手に種をのせて [ワークショップ]春の江津湖で種さがし

2022.03.19 , ,

「太田三郎 切手に種をのせて」の関連イベントとして、[ワークショップ]春の江津湖で種さがしを行いました。

会場は「くまもと 花とみどりの博覧会」(2022/3/19~5/22開催)の水辺エリアである水前寺江津湖公園。熊本市内の市街地にある大きな湖です。
出展作家の太田さんと自然豊かな公園内を歩きながら種さがしを行い、そのあとに拾った種を使って切手のデザインをしました。

種さがしは画図橋からスタートしました。
最初に見つけたのは小さな赤い実が生る木。
「皆さん、これは何の木か知っていますか?」と太田さん。
興味深げに皆さんが見入るその木は、「クロガネモチ」の木でした。
野鳥が赤い実を食べて、種を運ぶのだそうです。
上に下に興味を向けながら歩いていると、参加者の女の子が一見すると石ころのような種を拾いました。その種はなんと、椿の種。
カラカラに乾いて割れた実も発見し、椿はこのように種ができるのかと、皆さんしげしげと観察していました。

歩いていくうちに、段々種さがしにも慣れていきます。
大人も子供も気になった種を見つけては、太田さんに「これは何の種ですか?」と質問していました。太田さんにも、参加者の方にも、すぐに特定できない種が見つかったときには、植物図鑑を開いて皆で見比べたりしました。
センダン、ナンキンハゼ、ヨシ、ムク、クヌギ、タンポポ、アオキ、ナナミ、モミジバフウ、セイタカアワダチソウ……。
中にはユニークな名前の植物もありました。
葉などを傷つけると臭いにおいがする「ヘクソカズラ」や、まるで仙人の眉毛のような「センニンソウ」!
しばらく時間が経ったあと、この植物の名前覚えている?と太田さんが尋ねても名前が挙がるほど、参加者に強い印象を残す植物でした。

また、「タラヨウ」という木も見つけました。別名「はがきの木」。
「葉っぱの表面に傷をつけると文字がくっきり浮かび上がるので、今度試してみて」と太田さんから紹介がありました。
夢中で種さがしを行ったあとは、会場を熊本市動植物園内の多目的ルームに移し、切手のデザインにとりかかります。

切手の形をした大小ふたつのシートを使って自由にデザイン開始。
種の持っている形や色をどのように使うかがこの創作の肝となります。
枝つきのまま?実をほぐす?種の入っていた殻や葉っぱも使えそうです!
形を重視する方もいれば、色を重視する方、配置のリズムを重視する方もおり、どの方も何パターンもデザインを楽しく考えていました。
これぞ!と思ったデザインを撮影し、持ち帰り用の小さなシールに印刷しました。
参加者の成果物の一部は「太田三郎 切手に種をのせて」の展示室内でもご紹介しています。

全体約2時間半のワークショップとなりました。参加者は3歳から70代までと幅広い顔ぶれでしたが、太田さんとはもちろんのこと、参加者同士での交流も盛んで、皆さんとても活き活きと活動されていました。

【参加数8名】

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