2021年6月、アーティストの日比野克彦氏が熊本市現代美術館館長に就任しました。日比野館長はこれまで、熊本市現代美術館開館5周年記念・熊本城築城400年祭記念 「日比野克彦 HIGO BY HIBINO」（2007-2008）や、アートとサッカーを融合させた「MATCH FLAG PROJECT」（2008-）の実施など、美術館内にとどまらず、中心商店街や各地をフィールドとした展覧会やプロジェクトを、熊本で多数行ってきました。

▲「日比野克彦 HIGO BY HIBINO」展会場風景（2007）　「アジア代表日本 熊本復興応援マッチフラッグ」（2016、下通商店街）

そんな熊本市現代美術館や熊本の街をよく知る日比野館長が、館長就任後に最初の仕事の一つとして考えたアイデアが「ART LAB MARKET（アートラボマーケット）」です。

熊本市現代美術館は街の中心部にあります。美術館のある同じビル内には若者向けファッションブランドの店舗やホテルがあります。道向かいには熊本で一番大きな百貨店があり、周辺には飲食店も多数あります。そして、熊本の街を賑やかに活気づけてきた商店街にも面しています。

そんな熊本の街を見渡したとき、日比野館長は、この美術館がある3階の入り口に、街の延長線上であり美術館（展覧会）の延長線上でもあるスペースをつくることが、熊本市現代美術館にとって必要なのではないかと考えました。

街、文化、アートが、人々に自然としみわたっている混ざり合ったような場所です。
ショッピングを楽しんだり、ふらりとワークショップやイベントに参加したり、出会った人とおしゃべりをしたり、誰かのアイデアを知って刺激を受けたり。さまざまなことが美術館の中でも起こり、現在進行系で変化していくショップ&コミュニティスペースです。

▲日比野館長によるイメージスケッチ（2021年12月）

そんな「ART LAB MARKET」のアイデアを実現させるべく、建築家など本プロジェクトに関わるメンバーが動き出しました。
設計は、東京国立近代美術館所蔵品ギャラリーやエントランスホールのリニューアル、八戸市美術館なども手掛けた西澤徹夫さんです。
これからスケッチや図面などを交えつつ、現在進行中の内容を紹介していきます！

ART LAB MARKET
監修：日比野克彦（熊本市現代美術館館長）
設計：西澤徹夫（西澤徹夫建築事務所）
2022年秋、熊本市現代美術館内にオープン予定