バブルラップ

バブルラップ 「もの派」があって、その後のアートムーブメントはいきなり「スーパーフラット」になっちゃうのだが、その間、つまりバブルの頃って、まだネーミングされてなくて、其処を「バブルラップ」って呼称するといろいろしっくりくると思います。特に陶芸の世界も合体するとわかりやすいので、その辺を村上隆のコレクションを展示したりして考察します。

2018.12.15()〜 2019.3.3(

世界的に活躍する現代美術家 村上隆が、自身のコレクションをもとに展覧会を企画します。 本展は、バブル経済期を中心とするアートムーブメントを軸に、1990年以降の陶芸芸術を合わせて俯瞰することで、戦後の現代美術を捉えなおそうという非常に意欲的な試みです。

 本展について、村上はこのように語ります。
「これは、戦後の現代美術を新しい視点で解釈しようという野心的な展覧会です。どう野心的か?というと、『もの派』や『スーパーフラット』といった命名済みのムーブメントとまだ命名されていない表現達をお団子のように串刺しにすることで、大きな物語の形をあぶり出そうという企画であり、また、1990年以降の『失われた20年』の『デフレと低成長経済』の日本国内に起きた陶芸芸術の一部的な発酵熟成の原因究明を、バブル経済真っ盛りの頃の日本のアートと相対化させて、日本人の美意識の核心部を浮き彫りにしよう、という部分が斬新と言えるからです。その全体像を包括する言葉として『バブルラップ』、つまりビニール製の梱包材の固有名詞を使うことで、まさに丁寧に梱包して、別の場所へ整理し直そう、という企画なのです。」

 まさにそれ自身がバブル(泡)のように次々と湧き出ていた、バブル経済期を中心とする時代の数々のムーブメントたち。それらに対し村上は、「バブルラップ」*という新たなアートのキーワードを創出しました。そして現代陶芸との関係も合わせて考察しようというところが、村上ならではのユニークな視点です。
 かつての「スーパーフラット」がアート界に衝撃的な一石として投じられたように、「バブルラップ」もまた、大きな波紋を巻き起こすに違いありません。本展は、コレクター、キュレーターとしての村上の仕事と、常に「芸術とは何か?」という疑問に立ち向かう村上の最新のアイデアに触れられる機会となるでしょう。

* バブルラップ(Bubblewrap)とは本来、割れ物などを包むための、ビニール製の気泡緩衝材を指します。

アーティスト紹介

Photo by Chika Okazumi ©Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

キュレーション 村上 隆  Takashi Murakami

1962年、東京生まれ。東京芸術大学大学院美術研究課博士後期課程修了。日本画において初の博士号を取得。制作工房、ギャラリー等を含めたアートの総合商社である有限会社カイカイキキ代表。国際的に最も活躍している現代美術家の一人。2008年には『タイム』誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選出される。世界各地の美術館に招かれて自身の個展を開催、映画監督も含め、若手作家の育成・プロデュースも手がける。2015年、日本国内では14年ぶりとなる個展「村上隆の五百羅漢図展」が森美術館(東京)にて開催。2016年には古美術から現代美術までの膨大なコレクションによる「村上隆のスーパーフラット・コレクション―蕭白、魯山人からキーファーまで―」を横浜美術館(神奈川)にて開催、大きな話題を呼んだ。

出品作家

A BATHING APE、 青木亮、 青島千穂、 荒川朋子、 荒木経惟、 安藤雅信、 庵野秀明、 上田勇児、 榎忠、 榎倉康二、 大竹伸朗、 大谷工作室、 岡崎乾二郎、 尾形アツシ、 小野哲平、 ob、 加藤泉、 上泉秀人、 川俣正、 菊畑茂久馬、 國方真秀未、 熊谷幸治、 くらやえみ、 グルーヴィジョンズ、 桑田卓郎、 小出ナオキ、 小嶋亜創、 小林正人、 小松崎茂、 坂田和實(古道具坂田)、 佐藤玲、 佐内正史、 JNTHED、 篠山紀信、 清水志郎、 菅木志雄、 空山基、 タカノ綾、 竹熊健太郎、 蔦谷喜一、 鶴野啓司、 DIEGO、 TENGAone、 中西夏之、 中原浩大、 中村一美、 奈良美智、 成田亨、 額賀章夫、 浜名一憲、 ハロシ、 坂知夏、 日比野克彦、 ヒロ杉山/エンライトメント、 HIROMIX、 藤原新也、 ボーメ、 松下昌司、 MADSAKI、 三木富雄、 Mr.、 森岡成好、 村木雄児、 村田森、 森村泰昌、 山口はるみ、 山田隆太郎、 山本桂輔、 指差し作業員、 李禹煥、 渡辺隆之

展覧会情報

展覧会期:

2018年12月15日()~ 2019年3月3日(

開館時間:

10:00 - 20:00(展覧会入場は19:30まで)

休館日:

火曜日、年末年始(12月29日 - 1月3日)

観覧料:

一般:
1,000(800)円
シニア(65歳以上):
800(600)円
学生(高校生以上):
500(400)円
中学生以下:
無料

*( )の料金は前売および団体料金。各種障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳等。付き添い者1名にも適用)、電車・バス1日乗車券、JAF会員証、緑のじゅうたんサポーター証を提示の方に適用。
** 美術館友の会証を提示の場合は、1展覧会につき1回限り無料。
*** 前売券は12月14日(金)まで当館にて販売。

主催:

熊本市現代美術館[熊本市・公益財団法人熊本市美術文化振興財団]、KAB熊本朝日放送、熊本日日新聞社

協力:

熊本パルコ、有限会社カイカイキキ

後援:

熊本県、熊本県教育委員会、熊本市教育委員会、熊本県文化協会、熊本県美術家連盟、熊本国際観光コンベンション協会、J:COM、NHK熊本放送局、エフエム熊本、FM791

チラシ: