熊本地震から10年-
私の心が動きはじめたとき10years since the Kumamoto earthquake
2026年3月20日(金・祝)から6月14日(日)、
展覧会「熊本地震から10年-私の心が動きはじめたとき-展(仮)」を開催します。
この展覧会に展示するための
写真とエピソードを募集します
9年半前の4月、あの、熊本地震がありました。
ライフラインの麻痺、被災からの復旧作業、数千回におよぶ余震で、私たちの心はくたくたでした。心を閉じていないとダメになりそうで、一日一日を淡々と、なんとか乗り切っていた日々。
そんなとき「これがあったから乗り越えられた」「あれを体験したことがきっかけだった」など、少し前を向いて考えられるようになったり、気がつくと笑顔が浮かんでいたりと、あなたの心が動きはじめた瞬間を覚えていますか?他県に居た等で地震を経験しなかった人も、どうにもできないもどかしさなどを感じる日々を送られていたかもしれません。
日常の一コマ、体験した出来事やイベント、当時通っていた場所など、その時のエピソードを教えてください。
私たちのあのときの経験を、未来の誰かが災害を乗り越えていくヒントにしたい。
そんな思いから、この企画をはじめます。
募集要項
対象者
熊本地震を体験した人、またはその家族、友人等、熊本地震を外から見守っていた人
募集期間
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2025年10月31日(金)~ 2026年2月28日(土)
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募集内容
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熊本地震の後、自分の気持ちが動いた瞬間についてのエピソードを200字以内にまとめた文章と、その時撮った写真を募集します。
- 写真を撮っていない場合は、その時のことを思い出して改めて撮影した写真、絵やイラストでもOK。どうしても難しい場合は、エピソードのみも受け付けます。
- 応募作品は熊本市及び美術館の広報誌やホームページ、SNS等でのご紹介の他、展覧会「熊本地震から10年-私の心が動きはじめたとき-展(仮)」で展示する予定です。
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応募特典
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応募された方全員に、熊本市現代美術館にて開催予定の「漫画家生活30周年 こうの史代展」の招待券を差し上げます(会期:2026年1月4日(日)~3月8日(日))。
詳しい受け取り方法は、応募時の返信メールまたは受領お知らせのはがきにてご案内します。
エピソード例
こちらでは、当館スタッフのエピソードや、すでに寄せられたエピソードの一部を例としてご紹介します。
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Episode 1
職場のスタッフのストレスがピークだった頃。通勤途中で四つ葉のクローバーを見つけた。スタッフのひとりがコップに活けてくれて、地震一色だった職場の話題に、なんでもない会話と笑顔が戻ってきた瞬間。
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Episode 2
まだ余震が続く中、どうやったらお客さんに喜んでもらえるか、みんなで色々考えて準備して、地震後初めてお店を開けた日、スタッフからもらった花束。きれいで、その気持ちが嬉しくて、泣けた。自分もいっぱいいっぱいだったんだ・・・と、その時まで気がついていなかったけれど、きっと周りの人には見えていたんだろうな。
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Episode 3
震から半年がたち、我が家もようやく再生への道を歩み始めた。。普段は目にすることのない屋根裏の様子。修理が終われば、またその姿は見えなくなる。静かに、黙って、私たちを雨風や灼熱から守り続けてくれた無言の盾がそこにあった。
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Episode 4
こども向けの上映会は大人気だったけれど、そのスクリーンの下で無心に本を読むこどもを見つけておもわずパシャリ。一時でも、地震のことを忘れてもらいたくて始めたこども向けの上映会・・・。じゃなくても、君が夢中になれるものがあって良かった。こどものためと思って色々やるけれど、いつもこちらが元気をもらっていました。
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Episode 5
コンドルズのワークショップ。こどもたちが安心しておもいっきり大人と触れ合う時間。こどもは案外親の顔色を見る。親が笑顔で頷いてくれると、こどもは安心して走り出す。大人が笑顔でいなくっちゃと思った瞬間。
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Episode 6
ひびのこづえさんのハンカチ
地震直後から県外に避難して、少し経って熊本に戻ってきた時、同僚から、「ひびのこづえさんからお見舞いのハンカチ届いているよ」と受け取りました。色がきれいで、やさしい上品な肌触りは強烈な印象でした。しばらくもったいなくて使えなくて、時々引き出しから出しては触って日々の疲れを癒していました。いまではどんな色のハンカチだったかも思い出せないけれど、身近なものにあるアートの力を実感した瞬間でした。
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Episode 7
地震の年の夏、突然蝉が鳴いたことに、心の底から驚いた。夏になったら蝉が鳴く。そんな当たり前のことが、頭の中から完全にすっぽりと抜け落ちていて、一瞬、え?なにこれ?という感じですごく混乱したのを覚えています。固まってその場でぐるぐるとしていた心の栓が、あの蝉の声でポン!と抜けた感じ。ちょうど同じ頃、黒T一色の生活から色のある服も着られるようになったような気がします。
文化的処方について
文化には自分自身や誰かの心を動かす力があります。熊本市、熊本市現代美術館、東京藝術大学、熊本大学は、文化やアートの力によって、一人ひとりの心が健やかになる、或いは自分が健やかであると思えるようになるという仮説に基づき、協働で実践と研究を行っています。今回の展覧会も、この熊本版文化的処方の一環として開催いたします。