熊本ブックフェスティバル「BON KUMA HON(ぼんくまほん)」に合わせて、ワークショップ 「美術館で本をつくる」 を開催。植村愛音さん(古本と手製本ヨンネ)を講師にお迎えし、①「かがり綴じノート」と②「スイス装の小さな本」作りをおこないました。
会場はマリーナ・アブラモヴィッチやジェームズ・タレルの作品など、アートに囲まれながら美術書や様々なジャンルの書籍を自由に読むことができるホームギャラリーです。
はじめの13時~の回におこなったのは「かがり綴じノート」。針と糸を使って基本の綴じ方を学べる内容です。
ワークショップをはじめる前に植村さんが制作された「かがり綴じノート」を見て、イメージを膨らませてから作業に移ります。「ヘラ」や「目打ち」などの道具を使い、1つ1つの工程を丁寧に進めていきます。皆さん真剣な眼差しです。
針と糸を使用して紙の束をかがります。糸の留め方は、裁縫とは違い、はじめての留め方に少し迷われながらも、皆さん綺麗に留められていました。1段ずつ波縫いのように進めていきます。2段目からは作業のスピードも上がっているように見えました。
最後に背表紙に配置した紙を好きな長さやデザインにカットし、のり付けをして完成です!
完成した「かがり綴じノート」を机に置き、他の人の作品を見てまわりました。皆さんそれぞれ、背表紙に配置した紙に工夫をほどこされていて、模様をカットして入れ込んでいる方。紙の切り口を工夫される方。あえて全てシンプルにまとめている方。長さをランダムにし、リズム感ある配置にされている方など、デザインが1つとして同じものはなく、素敵な「かがり綴じノート」が完成!和気あいあいとしな雰囲気で「かがり綴じノート」のワークショップを終了しました。
次の16時~の回では「スイス装の小さな本」作りをおこないました。「スイス装」とは、本の中身を裏表紙側だけにのり付けする事を呼びます。ハードカバーの本を、初心者でも作りやすい簡単な方法で学びました。
まずは、本の中身作りからです。綴じ方は、かがり綴じよりもシンプルな綴じです。はじめての糸の留め方に、お隣同士で確認し合う姿や、「かがり綴じノート」にご参加下さった方が、お隣の方にやり方をお伝えされている姿もありました!
中身が出来たら、ハードカバー作りに取り掛かります。表紙は一部を凹ませ、好きな紙をはめ込むデザインです。カッターで切込みを入れて凹みをつくるので、直線でできるデザインにします。形が決まったら切込みを入れ、内側を少しずつ剥いで凹みを作ります。皆さん慎重に手を進めておられ、とても集中されているのが見て取れます。
凹みができたら、1枚の布に表紙と裏表紙をボンドを使って綺麗に貼ります。先ほど作った凹みには紙を貼り、中身を裏表紙側に貼って完成です!皆さん素敵な本が出来上がりました。凹みの部分は皆さん違い、正方形、長方形、三角形、五角形、台形など様々です。中には三角を2つ組み合わせて、リボンや蝶のように見えるデザインにされている方もいらっしゃいました!
材料はどちらも1人2冊分ずつ用意があり、お家でもう1冊作ることができます!
自分で作ることで本の構造が理解でき、より「本」について知りたくなるワークショップとなりました。
各回2時間というワークショップでしたが、どちらも満足度の高い内容となりました。
①かがり綴じノート 【参加人数 11人】
②スイス装の小さな本【参加人数 11人】