CAMKブログCAMK Blog

美術館の日常のあれこれをお伝えします。

【報告】熊本県立熊本高校で対話型鑑賞をおこないました。

2026.01.16 , , ,

いつもは美術館の展覧会場でおこなっている対話型鑑賞。

1月16日(金)は、初めて美術館の外で対話型鑑賞をやってみました。開催場所は、熊本県立熊本高校の校長室。持ってきた2点の作品を展示していると、授業を終えた高校生の皆さんや興味を持ってくださった先生方がやってきました。

まずは平面の絵画作品をひとりでじっくり鑑賞。ファシリテーターを務める学芸員が、作品の中に何が見えるかを尋ねると、次々に手が上がりました。

見えたものを理論的に考えようとする人、想像の翼を広げる人、1枚の絵でも目に付くものや感じ方、発想は人それぞれで、ひとつ意見が出るたびに、絵の印象が揺らいだり進んだり、視点が動いたり広がったり反転したり。高校生の柔軟な想像力とそう思った根拠を聞くたびに、なるほどそういう見かたもあるのか・・・と心が揺さぶられて、気がついたら40分近くもひとつの作品を鑑賞していました。

作品は小国町出身の画家、宮崎静夫さんの《友よ》という作品でした。

もう1点は電気仕掛けの立体作品。こちらもひとりでじっくり鑑賞したあとにファシリテーターが促すと、バネを擬人化した意見が。ぶつかり合う2本のバネを、喧嘩や戦争と見るか、切磋琢磨やコミュニケーションの中にひらめきが生まれる瞬間があるとみるのか、そこに影響するものは何なのか。まったく違う見方でも、どれも興味深く、誰もが頷きながら聞いていました。

実は今回、この作品の作家がこっそり同席していて、最後に紹介されると、高校生たちから驚きの声が。作家であり、一緒に文化的処方の研究開発も進めている田中一平さんも、自分の作品の対話型鑑賞を聞くのははじめてとのことで、作品の見かたや解釈が広がっていく様子を楽しんでおられました。見たものを言葉にしてみること、なぜそう思ったか、一歩思考を深めてみること、そして、自分と違う考え方も含めておもしろがること。対話型鑑賞は作品を観る手法ですが、社会においても汎用できるのではないかと思っています。(20名)

 

カテゴリ別一覧Categories

月別アーカイブArchive