CAMKブログCAMK Blog

美術館の日常のあれこれをお伝えします。

「おはなし聞き描き〜職員の心に寄り添う対話①」―秋津まちづくりセンターでの熊本版文化的処方の実践

2026.10.07 , ,

7月28日に発生した令和8年熊本地震。災害は被災地の市民だけではなく、市民を支援する側の行政職員にも大きな負担とストレスとなります。私たちと同じ市民であり被災者でもある職員の皆さんが心身ともに疲労してしまったら、市民への支援やサービスに最大のパフォーマンスで臨むことはできません。

そこで、今回のワークショップは、まちづくりセンターの職員に向けて開催し、参加した6名の職員によって災害時の記憶や発災時対応における葛藤が語られました。災害対応の最前線で市民を支えている職員に、熊本地震における自らの体験や想いを共有することで「ひといきつく時間」を過ごしていただくことを目的としました。

連日の激務や葛藤から、職員同士でぶつかり合う場面がありながらも、朝礼の深呼吸で励まし合ったこと、不眠不休の避難所運営の中で届いた避難者からの感謝の寄せ書きに溢れた涙。子どもたちの声が消えた児童館での寂しさと寄り添う時間、10年前にはひたすらおにぎりを握り続けた体験と今回のギャップ。3万冊の本が崩れ落ちた図書室を「10年前の経験があるから」と早期復旧させた司書の思いなど、それぞれの思いが語られるにつれ、徐々に場の緊張が解れていく感覚がありました。

対話の中で明かされた出来事や空気感は、古川さんによってリアルタイムでキャンバスに描き起こされていきました。おにぎりや猫、色紙や車、深呼吸の空気感。ひとつひとつのエピソードが色彩と共に織り重なった作品がお披露目されると、驚きと感嘆に合わせて一息に笑顔が溢れました。

また、合わせて秋津まちづくりセンターに来られる区民の方向けには、美術館で開催している「CAMKみんなのひとやすみくじ」を「あさひばみんなのひとやすみくじ」として設置させていただきました。

私たちは異常な事態に対面したとき、常に心が緊張している状態から逃れられず、他のことに目を向けることが難しい状況に陥りがちです。今回の地震で揺れがひどく、東区で最後まで避難所として残った秋津まちづくりセンター周辺の皆さんにも、心の力を抜き、ほっとする時間を過ごしていただければ幸いです。

日時:令和8年10月7日(水)

場所:秋津まちづくりセンター

講師:岩崎千夏(熊本市現代美術館 文化的処方推進室長)、古川実季(アーティスト・東京藝術大学特任助手)

対象:秋津まちづくりセンター 職員6名

カテゴリ別一覧Categories

月別アーカイブArchive