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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

「チェルフィッチュの〈映像演劇〉」
[アフタートーク]誰かと観て話すチェルフィッチュの〈映像演劇〉②

2018.05.26 , , ,

この関連イベントは、〈映像演劇〉とは一体何なのか?誰かと一緒に作品を観てみることで、チェルフィッチュのこの新たな演劇について話してみる企画です。

2回目のゲストには、熊本市内で古本タケシマ文庫を営まれている菅原龍人さんをお招きしました。

菅原さんはこれまで演劇をよくご覧になってこられたこともあり、作品内の劇中劇などさらに奥まった部分への言及が数多くありました。

例えば《楽屋で台本を読む女》では、役者(映像の女性)がこれから舞台で演じようとしている演劇の内容はどのようなものなのか? 衣装やセリフから、いかにもチェルフィッチュじゃやらなさそうな「芝居」っぽいと推測。セットのような要素もあるので、常設されていても良さそうという話も出ました。

また《The Fiction Over the Curtains》のセリフのない男女のシーンについては、彼らはスクリーンの向こう(鑑賞者)から見られていることを知らないはずなのに、女性は恥ずかしがっているように見え、男性は見られていることを自覚しているのではといった、向こう側に立った状況についても想像が膨らみました。

菅原さんが一番気になった作品は、この《The Fiction Over the Curtains》。

その理由の一つとして、「岡田利規さんが今、一番やりたいことをたくさん詰め込んでいるように感じたから」とのこと。演劇、映像、美術そして展覧会という、いくつものレイヤーで楽しめる企画というコメントもあり、菅原さんのバックグラウンドの広さとともに、何度も鑑賞していただいたことが伺えました。

参加を逃してしまった方は是非、当館と古本タケシマ文庫さんをハシゴして、アフタートークの続きをお楽しみください。本企画を、より複数のレイヤーで何度も楽しめる可能性が、古本にもきっと詰まっています。

【参加人数8人】

次回の[アフタートーク]のゲストは、熊本の洋服屋 Re;li のディレクターをされている石原眞弓さんです。


渚・瞼・カーテン チェルフィッチュの〈映像演劇〉
会期:2018年 4月28日(土)–6月17日(日)
会場:熊本市現代美術館


[アフタートーク] 誰かと観て話すチェルフィッチュの〈映像演劇〉③
ゲスト:石原眞弓(熊本の洋服屋 Re;li  ディレクター)
日時:2018年6月14日(木)18:30-19:30
場所:展覧会会場内 + アートスカイギャラリー
*要展覧会チケット、申込不要

 

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