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美術館の日常のあれこれをお伝えします。

「チェルフィッチュの〈映像演劇〉」
[ワークショップ]〈映像演劇〉 を演じてみよう!~スマホでつくる 〈映像演劇〉~

2018.05.20 , , , ,

〈映像演劇〉を実際に制作してみるワークショップを開催しました。

講師は本企画で全作品の映像を手がけている舞台映像デザイナーの山田晋平さん。今回ワークショップで制作する〈映像演劇〉は、出品作品《Standing on the Stage》(2017–18)と同じスマートフォンを用いたタイプです。

まずは《Standing on the Stage》を各自鑑賞。どういう作品なのか、内容や仕組みを考えました。その後、山田さんが〈映像演劇〉に関する簡単なレクチャーを行い、実際の制作に取りかかりました。

チェルフィッチュの《Standing on the Stage》では、「目が覚めると舞台の上にいた」というシチュエーションでスマートフォンの画面の中の二人が舞台の様子を話しますが、ワークショップでは、「目が覚めるとベッドの上にいた」という設定でベッドを起点に自分の部屋の様子について話しました。

まず、A4の白い紙の上に自分のスマートフォンを置き、それをベッドに見立てて部屋の間取りを描いていきます。そして山田さんが用意した穴埋め方式の台本を埋めていく作業にとりかかりました。目が覚めるとまず何が見えるのか、寝ているベッドはどのようなベッドか、部屋には何があるのかといったことを書き込んでいきました。山田さんのアドバイスで、ただ置いてある物を列挙するだけではなく、シーツの柄や質感など具体的な描写をせりふに反映させていきました。

窓の外に見える風景を話す箇所では、参加者のみなさんは部屋の中よりも一層何が見えたか思い起こしている様子で、いま制作している作品が最終的に鑑賞者にはどのように観られるのか、想像されるのかという〈映像演劇〉のポイントを感じることができました。

次に、数人の参加者の人が実際に演技をつけながら台本を読んでみました。このとき、《Standing on the Stage》と同様、最終的に上演する映像は「スマートフォンを水平に机の上に置いている状態=画面の中の自分はベッドに寝ている状態」であるということをイメージしながら、部屋の様子を指し示していきました。

台本を読んで演じる練習時間を設けた後、一人ずつ撮影に入りました。白いスクリーンをバックに各自のスマートフォンで山田さんが撮影しました。

撮影を終えた人から、部屋を描いた紙の上にスマートフォンを置き、再生して作品を鑑賞。

最後は全員の作品を並べて一気に再生。それぞれの部屋の住人が話し始め、マンションのような都市感が出て群像劇のようになり、個別で観るのとはまた違う上演の形が表れました。

台本の作成から演技、上演までの一連を実際に制作してみることで、〈映像演劇〉において重要な要素となる「見え方」や「見せ方」を学べるワークショップになりました。

【参加人数 ①12人 ②11人】


渚・瞼・カーテン チェルフィッチュの〈映像演劇〉
会期:2018年 4月28日(土)–6月17日(日)
会場:熊本市現代美術館

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