こわいな!恐怖の美術館 展

こわいな!恐怖の美術館 展

出展作家

オディロン・ルドン / 浜田知明 / 田名網敬一 / いしいしんじ / コーダ・ヨーコ / 南無サンダー

展覧会概要 & 本展をより楽しむためのヒント

展覧会概要

熊本地震発生より5年、コロナ禍真っ最中に行う本展は、無意識を揺さぶる恐怖や不安を理知的に受け止め、「それ(恐怖や不安)」をテーマとして優れた創造性を発揮した近現代美術家・文学者・演劇集団達5名と1グループの作品を紹介します。

平成28年熊本地震によって、わたしたち市民はかつてない恐怖体験とその長く続く余震による不安感に悩まされました。また、全国で相次ぐ天災、コロナ禍により、恐怖と不安は多様化し遍在しています。日常生活を「それ(恐怖や不安)」とともに過ごすことでのストレスは人々を消耗していますが、一方で「それ」を人間の持つ自然な感情のひとつとして捉え、作品のテーマとして創造の力を発揮したアーティスト達が存在します。
さあ、アーティストたちと一緒に、恐怖の美術館をはじめましょう。
独自のセンスとユーモアに満ちた多様な芸術的表現が、(時には刺激的に)皆様の発想の転換を促し、自らと大切な人を「それ」から守るための元気とアイデアが生まれるきっかけとなれば幸いです。

本展をより楽しむためのヒント

3つのキーワードで解き明かす、「それ(恐怖と不安)」の正体

展覧会場内では出品作家それぞれの世界観を堪能していただくべく、作家ごとに作品展示を行いますが、このサイトでは本展をより楽しんでいただくため、出品作品に共通する3つのテーマをご紹介します。
*怖いのが苦手な方も、本展は十分楽しめます(こわいけどこわくありません)。

1恐怖の場所・・・お化け屋敷、そして、出口が分からない恐怖
南無サンダー、オディロン・ルドン、浜田知明

西洋と日本のお化け屋敷は、実は全くの別モノです。和風のお化け屋敷は、「屋敷」とはいいながらも、内部には屋外を疑似体験する空間が用意されていて、その入れ子状の異界に集うお化けに出会います。西洋型は、屋敷そのものが悪しき場所という「化け物」です。その室内で屋敷の過去の出来事にまつわる幽霊達と出会うことになります。
また、現代のお化け屋敷は迷路型のため、出口がどこか分からない状態が続く構造です。あとどれくらい続くのか、いつ何が起こるのか分からずに戸惑い、恐怖と不安は増していきます(コロナ禍を過ごす我々の日常心理のようですね)。
そういう恐怖と不安を最大限に抱えながら出口へと到達し、嫌な状態から抜け出した時、心は解放され安心と喜びに満たされます。最後に「あー怖かったね」とお互いの安全を確認し微笑みあうまでが、お化け屋敷の体験に含まれます。
*会場入口には南無サンダーによる和風のお化け屋敷があります。苦手な方は「えずくない(怖くないの博多弁)」ルートで回避できます。

  • 南無サンダー 南無サンダーの演劇お化け屋敷@大學湯 2020年(参考)
  • 浜田知明 行きどまり 1981年 熊本県立美術館蔵 
    ©Hiroko Hamada 2021/JAA2100062
  • オディロン・ルドン 幽霊屋敷I.私はそれに人の形をしたかすかな輪郭を認めた 1896年 岐阜県美術館蔵 *前期展示
  • オディロン・ルドン 幽霊屋敷II. 大きく蒼ざめた光を私は見た 1896年 岐阜県美術館蔵 *前期展示

2恐怖の時間・・・真夜中
田名網敬一、コーダ・ヨーコ、オディロン・ルドン

日本のお化け屋敷内部は、丑三つ時、真夜中に時間が固定されていますし、西洋型も室内は薄暗く演出する傾向があります。幾多のホラー映画で恐怖の出来事が起こるのは夕方以降から夜間です。
もともと暗闇は怖いものです。なにか得体の知れないものが潜んでいて、あなたに害をなすかもしれません。ホラー映画のほとんどは夜が明けるタイミングで決着がついて話が終わりますが、同じように熊本地震後の余震の続く日々、夜明けにほっとした、という経験のある人は多いと思います。
一方で、夜の時間特有の楽しみもあります。都市生活でのライトアップは昼とは違う美しさがありますし、天体観測、月見、夜桜など、ロマンティックな豊かな時間が流れる夜ももちろんあるのです。

田名網敬一 赤い陰影 2021年 作家蔵
すべて©Keiichi Tanaami Courtesy of NANZUKA

  • オディロン・ルドン 幽霊屋敷V.醜き怨霊 1896年 岐阜県美術館蔵 *後期展示
  • オディロン・ルドン 《憑きもの》1894年 岐阜県美術館 *後期展示
  • コーダ・ヨーコ 「ヨルのキオク」01 あしたを運ぶ鳥 2016年 個人蔵
  • コーダ・ヨーコ 「ヨルのキオク」02よるという名の猫 2016年 トリートメントサロン ミモザ蔵
  • コーダ・ヨーコ 「ヨルのキオク」09よるのものがたり 2016年 個人蔵

すべて©コーダ・ヨーコ

3恐怖のかたち・・・不可解な存在への不安、お化けを求める心情
オディロン・ルドン、浜田知明、田名網敬一、いしいしんじ

日本では江戸時代から「百物語」など怪談が多くあり、現代にもホラー漫画や小説として継承され人気があります。お化けを求める都市生活者の心情は昭和・平成の世に口裂け女、人面犬、人面魚を生み出し、昨年はアマビエが疫病除けも兼ねて大ブームとなりました。
江戸時代から都市型のお化けは、例えば暗い夜道や普段行かない場所など、日常生活の「際」、つまり境界が曖昧に溶け込んでいる場所に出現することになっています。
恐怖の対象(得体のしれないもの)に姿を与え、その出現場所を固定することは、不可解な存在を受けとめ、理解し、適切に対処するための基本的な方法なのです(防災やコロナ禍の対策と一緒ですね)。

  • オディロン・ルドン 蜘蛛 1887年 岐阜県美術館蔵 *前期展示
  • 浜田知明  情報過多的人間 1984年 熊本県立美術館蔵 撮影:藤本健八
    ©Hiroko Hamada 2021/JAA2100062
  • 浜田知明 ややノイローゼ気味 1975年 熊本県立美術館蔵
    ©Hiroko Hamada 2021/JAA2100062
  • 田名網敬一 綺想体 2019年 作家蔵 
    ©Keiichi Tanaami  Courtesy of NANZUKA
  • いしいしんじ 新作「百ものがたり(仮)」取材ノート 2021年
    *会場では新作を初公開いたします

いかがでしたか? 恐怖と不安を解き明かす3つのキーワード、お役に立ちましたでしょうか?
十分に用心して、恐怖の美術館をお楽しみください!

展覧会情報

開催期間

2021年9月25日()~ 12月5日()/62日間

会場

熊本市現代美術館 企画展示室Ⅰ・Ⅱ

休館日

火曜日、11月24日(水)*ただし11月23日は開館

開館時間

10:00 ~ 20:00(展覧会入場は19:30まで)

観覧料

一般:
1,100(900)円
シニア(65歳以上):
900(700)円
学生(高校生以上):
600(500)円
中学生以下:
無料

※()内は前売/20名以上の団体/各種障害者手帳をご提示の方と付き添いの方1名(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳等)、電車・バス1日乗車券、JAF会員証、緑のじゅうたんサポーター証/美術館友の会証をご提示の方。前売の販売は9月24日まで。
※10月10日(日)は熊本市現代美術館開館記念日を祝して入場無料

チケット取扱い

熊本市現代美術館、イープラス(e+)、ローソンチケット“ローチケ”[Lコード:81992]、セブンチケット[セブンコード:090-328]

主催

熊本市現代美術館(熊本市、公益財団法人熊本市美術文化振興財団)、熊本日日新聞社、熊本朝日放送

助成

公益財団法人 花王 芸術・科学財団

後援

熊本県、熊本県教育委員会、熊本市教育委員会、熊本県文化協会、熊本県美術家連盟、熊本国際観光コンベンション協会、NHK熊本放送局、J:COM、エフエム熊本、FM791

協力

NANZUKADOMMUNE、橙書店、崇城大学芸術学部デザイン学科

チラシ

プレスリリース